ケニア マサイAAに和菓子と洋菓子をペアリング。その結果は?


ケニアと聞いたら、大自然の中の野生動物やマサイ族を連想しませんか?
ケニアでコーヒー?
名前にマサイが付いてるということは、まさか、マサイ族が作っているのでしょうか?
いったいどんなコーヒーなのか気なりますよね。

今回は、ケニア マサイAAのコーヒー豆について紹介します。

ケニア マサイ AAとは

まず気になるのが、「マサイ」というネーミングですよね。
これは、ブランド名であって、マサイ族とは関係ないということです。そうじゃないかと思っていましたが…。

ケニアのコーヒー豆は、ヨーロッパでは第一級の豆として扱われているそうで、「マサイAA」はトップグレードのスペシャルティコーヒーなんです。
「AA」というのは、豆のグレード(等級)のことで、ケニアでは、豆のサイズでグレードが決まります。もっとも大きいのが「AA」で、最高級の豆とされます。

濃厚なコクと品のある甘味を持ち合わせていて、ビターチョコのような香りと苦みがあり、力強さと重厚感のあるコーヒーです。

ケニア マサイ AAの特徴

ケニアの風味・力強さが感じられるコーヒー
重厚感があり、シュガー・ミルクとの相性〇
カシスのような甘い香り
しっかりしたボディを感じる飲みごたえ
(大阪箕面珈琲焙煎所による)

ケニア マサイ AAの詳細

・原産国:ケニア
・農園:ドナ・ネネン農園
・品種:SL28 SL34
・グレード:AA
・カップ評価:83.75
・焙煎:フルシティ
・精製方法:ウォッシュド

コーヒーの味覚チャート

・香り:★★★★☆
・酸味:★☆☆☆☆
・苦み:★★★★☆
・コク:★★★★★
・甘味:★★★★☆
(大阪箕面珈琲焙煎所による)

購入先:大阪箕面珈琲焙煎所
https://minoh-coffee.net/

ケニア マサイ AAの感想

まずは豆を挽いたときの香りを楽しんでいただきたいです。
その香りは、華やかで、上品な甘い香りがします。思わずうっとりしてしまうくらいとてもいい香りで、蝋梅(ろうばい)のような香りがします。蝋梅はあまり知られていない花木ですが、1月から2月にかけて甘く優しい、とてもいい香りの花を咲かせます。
舌触りは滑らかで、力強いコーヒーです。

抽出温度による味の違い

コーヒー豆を購入した店長さんに、95℃で淹れてもえぐみが出ないはずだからと勧められたので、85℃と95℃で飲み比べました。

使用したドリッパー:CAFECのフラワードリッパー

85℃の場合

評判どおりの力強さ、コク、そして甘味があります。
しっかりとしたカカオのような苦みがありますが、苦みが強すぎることはなく、酸味はほとんど感じません。
95℃と比べると、柔らかい苦みで、全体的にあっさりした味わいです。
冷めてくると、甘味が増してきて、まろやかな味わいを楽しむことができます。

95℃の場合

高温の95℃に挑戦しました。
高温で淹れたにもかかわらず、えぐみや、嫌な苦みや酸味が出ることはなく、ケニア マサイの特徴である力強さがいっそう全面に出てきます。
少し冷めると、さらにコクと甘みが出てきますが、力強さはそのままです。
さらに冷めると、甘味がグッと増してきて、トロッした感じの味わいになります。
個人的には、中途半端に冷めたものより、冷めてしまったときの甘味のほうが好きです。

ガツンとしたコーヒーを飲みたいときは、95℃で淹れるがおすすめです。

ミルクを入れて

ミルクとの相性もいいですね。
コーヒーの力強さが、全体的にまろやかになって、ホッとする味わいになります。
コクのあるコーヒーを飲みたいけど、ガツンとした強さが苦手な人は、ミルクを入れて飲むといいと思います。

個人的に、今回のケニア マサイのようなガツンと系のコーヒーはたくさん飲めないので、半分ほど飲んだところで、ミルクを入れてカフェオレにして、テイストを変えて楽しんでいます。

フレンチプレスに挑戦

2人分 豆24g 湯量290㏄ 出来上がり240㏄ 4分

フレンチプレスの特徴として、コーヒーの成分がすべて抽出されるので、豆そのものの味わいを逃すことなく楽しめますが、オイリーで雑味も含まれるので、好きな人と、苦手な人で、好みが別れるところです。

フレンチプレスは、まず香りから全然違います。うまく言えませんが、ペーパードリップよりも複雑で奥深い香りがします。
苦みはやや強いように感じます。ペーパードリップに慣れている私には、雑味やザラっとした舌触りが気になりますが、フレンチプレスの方が濃厚で深いコクがあり、ワイルドで素朴な感じの味わいがあります。
オイリー感があるので、ペーパードリップよりも余韻を長く楽しめるはいいですね。

半分ほど飲んだところで、ミルクを入れて飲みましたが、濃厚な味わいなので、ミルクととてもよく合いました。
ミルクを入れて飲むことで、雑味が気になりにくくなり、ミルクの優しさとコクがプラスされ、また違った味わいを楽しむことができます。ブラックで飲むより、はるかに飲みやすくなります。

豆そのものを味わいたけど、フレンチプレスはちょっと苦手という人には、ミルクを入れて飲むところから、フレンチプレスに挑戦してみてはどうでしょうか。

ペーパードリップとフレンチプレスの違いのまとめ

フレンチプレスはちょっと苦手だなと思いましたが、豆本来の味を知ることができました。そして、ペーパードリップで淹れたコーヒーとでは、こんなにも香りや風味に違いがでるということも知ることができたので面白かったです。

  • フレンチプレスはダイレクトに豆本来の香りや味を楽しむことができますが、舌触りや雑味が気になる。
  • ペーパードリップは、スッキリした味を楽しむことができるが、余韻はフレンチプレスに比べると短い。
  • ミルクを入れて飲むと飲みやすくなる。

フードペアリング 

ビスケット★★★☆☆

ロータス ビスコフ

95℃で抽出したコーヒーと合わせる

ほど良いカラメル風味の甘さとほのかなシナモンの香りが特徴のベルギーのロータス ビスコフのビスケットと合わせてみました。
余談ですが、「Biscoff」はBiscuit for Coffee(コーヒーのためのビスケット)の略で、コーヒーはもちろん、紅茶のお供の定番のビスッケトです。

ケニア マサイの力強さに負けないビスケットの強い甘味と、サクサクというより、ザクザクした食感とがよく合っていました。
ただ、星が3つだったのは、ちょっとビスケットの甘さが強すぎたという点です。コーヒーの方が少しビスケットに負けていた印象で、ビスッケトの甘さのほうが口の中に残る感じです。
コーヒーのためのビスケットに、ちょっと辛口な評価となってしまいましたが、すごく疲れていて、砂糖やミルクをいれて甘くしたコーヒーを飲みたいときなら、このビスケットと合わせると、すごくいいと思います。
疲れた身体や脳を間違いなく癒してくれるはずです。

ショートブレッド★★★☆☆ 

キャンベルショートブレッドフィンガービスケット

85℃で抽出したコーヒーと合わせる

キャンベル ショートブレッド フィンガーを合わせてみました。
ショートブレッドとは、イギリス・スコットランドの伝統的なお菓子です。キャンベル社のショートブレッドは添加物を一切使わない伝統的製法で作られているので安心ですね。

こちらのビスケットも甘みがしっかりとしていて、バターの風味とコクがあって、コーヒーと合わなくはないのですが、いまひとつピンとこない感じでした。
シンプルな味わいが、ケニア・マサイAAの力強さとちょっと合わなかったのかもしれないですね。
サクサク、ホロホロの食感が楽しいショートブレッドには、スコットランドの伝統のお菓子だけあって、コーヒーより紅茶の方が合うのかもしれません。

イチゴのショートケーキ★★★★★

アテール イチゴのショートケーキ

85℃で淹れたコーヒーとあわせる
まさかの星5つを獲得!
一般的に、深煎りのコーヒーには、甘味が強かったり、濃厚なスイーツが合うと言われていますが、思い切ってショートケーキと合わせたところ、非常に相性がいいことに驚きました。
低温の85℃で淹れたことで、ショートケーキの生クリームのミルキーなコクや上品な甘さをかき消すどころが、マサイのコーヒー豆の持つ甘味やコクとの相乗効果で、それぞれがさらに美味しくなりました。
この意外なペアリングはぜひ試していただきたいです。

おかき(唐辛子風味)★☆☆☆☆

唐辛子おかき

85℃で抽出したコーヒーと合わせる

1つ食べたときはそうでもなかったのですが、2つ3つと食べていくうちに、唐辛子の辛さが口の中に蔓延してしまって、コーヒーを味わうことができなくなってしまいました。

唐辛子の辛さは、適度なほどほどの辛さで、おかき自体はとても美味しかったです。

結論として、辛さのあるスイーツと合わせるのが、そもそも間違いだったのだと思います。でも、挑戦してみないと分からないので、今回の経験を今後の参考にしたいと思います。

ザラメおかき

ザラメのおかき

醤油味のおかきにザラメ糖がまぶされているおかきです。
95℃と85℃で比べてみました。

95℃で淹れた場合★★★☆☆ 3.5

95℃で淹れたコーヒーと合わせると、ザラメと醤油による甘じょっぱさが、コーヒーの苦みをやわらげ、コーヒーの力強さが全体的に和らいで、コーヒーが飲みやすくなります。
でも、95℃で淹れたのは、もともと力強いコーヒーが、さらにパンチの強いものになるので、おかきの味がサーッと流されていってしまう印象です。

85℃で淹れた場合★★★★☆ 4.5

85℃との方が、おかきの優しい味わいに良く合っていました。
おかきの甘じょっぱさとコーヒーのコクや甘味とが、心地よく口の中で合わさってくれます。
95℃で淹れたのも悪くないのですが、比べると、85℃で淹れたコーヒーはあっさりした味わいになるので、優しいおかきには、85℃のほうが相性がいいと思います。

コーヒーと古風なおかきがこんなに合うとは驚きでした。
しかも、とってもシンプルおかきとです。
ぜひぜひ試していただきたい組み合わせです。

フードペアリング番外編 
フレンチプレスとスイーツ

いつもは、ペーパードリップで淹れたコーヒーで、フードペアリングをしますが、今回は、フレンチプレスで淹れたコーヒーで、フードペアリングを楽しんでみました。

どら焼きと黒糖まんじゅう ローソン

どら焼き★★★☆☆ 3.5

どら焼きの甘味が、フレンチプレスの雑味とオイリーさに良く合っていたと思います。
また、どら焼きの皮の部分と粒あんの食感が、フレンチプレスの独特の風味や舌触りを気にならなくさせてくれます。

黒糖まんじゅう(こしあん)★★★☆☆

こちらも相性はGoodでした。
どら焼きに比べると、こしあんの滑らかさと、コーヒーのザラっとした舌触りとが、少し喧嘩しているようにも感じたので、どら焼きより星の数を少なくしました。

おすすめのシチュエーション

・目覚めの1杯に。シャキーンとします。
・これから気合いを入れて仕事をするぞってとき。
・疲れて甘~いスイーツを食べるときのコーヒーに。
・季節で言うなら、冬。ブランデーを入れて、まったりとした、大人の時間を過ごすのも良さそう。

ケニア マサイ AAのまとめ

挽いたときの香りは最高です。本当にしあわせな気分にしてくくれます。
コーヒー豆を挽く度に、毎回、これでもかってくらい香りをクンクン嗅いで堪能しました。それくらい大好きな香りでした。
まずは、挽いたコーヒー豆の香りを楽しいんでほしいです。

ケニア マサイ AAは、飲み応えのあるしっかりしたボディに、豊かなコクと甘みを合わせもった魅力的なコーヒーです。
抽出温度によって、はっきりとした違いがあるので、そのときの気分や合わせるスイーツによって、使い分けができるのもいいですね。

強いコーヒーが苦手だという人も、85℃だと苦みが柔らかく、95℃と比べるとあっさりした味わいなので、強いコーヒーは苦手というだけで飲まないのは、もったいないと思うほど、1度は飲んでほしいコーヒーです。

ケニア マサイ AAは、フレンチプレスで淹れたり、ミルクを入れたりと、いろいろな楽しみ方ができる魅力的なコーヒーだと思います。自分に合った楽しみ方を見つけて、コーヒーのある生活を楽しんでください。