コーヒー豆とコーヒーミル

集中したいときや、仕事中、リラックスしたいときにコーヒーを飲む人は多いですよね。

しかし、ついつい飲み過ぎて気持ち悪いっていう経験がある人もいるのではないでしょうか。

その原因のひとつは、コーヒーに含まれているカフェインと言われています。

カフェインには、覚醒効果(頭をはっきりさせる効果)や食べ物の消化を助ける働きがありますが、過剰に摂取すると逆効果になってしまうため注意が必要です。

今回は、その原因と、実際に気分が悪くなってしまったときの応急処置方法や、予防策をご紹介します。

コーヒーの飲み過ぎで見られる症状

普段コーヒーを飲んでいて、特に何も感じない人も、コーヒーを飲み過ぎると吐き気を感じたり、頭痛、めまい、動悸が起きてしまうことがあります。

人によってはげっぷが止まらなくなったり、胃がムカムカするといった症状を感じるかもしれません。

また、コーヒーには体を冷やす作用があるため、ニキビなどの肌荒れを引き起こすこともあります。

コーヒーの飲み過ぎで見られる主な症状

  1. 気持ちが悪くなる
  2. 吐き気
  3. 頭痛
  4. めまい
  5. 動悸
  6. 胃がムカムカする
  7. げっぷ
  8. ニキビ、肌荒れ

これらの症状は、コーヒーを飲んですぐに感じる場合もあれば、数時間後や翌日になって感じる場合もあります。

日本では、1日のカフェイン摂取量は定められていません。

しかし、カナダやアメリカで設定されている基準値を元に、1日3~4杯までが限度と言われています。

しかし、1杯しか飲んでいないから大丈夫というわけではなく、その日の体調や、体質によって1日に飲める許容量は変わってくるので注意しましょう。

リフレッシュや、集中力アップのためにコーヒーを飲んでいるのに、気持ちが悪くなってしまっては意味がないですよね。

以下に、コーヒーの飲み過ぎで起きてしまう症状の原因を、説明していきたいと思います。

コーヒーを飲み過ぎて気持ちが悪くなる原因

コーヒーを飲んだ後に気持ち悪くなってしまう原因は、いくつか考えられます。

何が原因なのかは、起こってしまった症状や、人によって違ってくるので、自分がどれに当てはまるのか確認してみてください。

胃酸過多

コーヒーを飲んだ後に、「吐き気」「胃のムカムカ」を感じる場合は、胃液が過剰に分泌されているのが原因かもしれません。

コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸には、胃酸の分泌を促す効果があります。

そのため食後に飲むコーヒーは、食べ物の消化を助けるはたらきとして効果的です。

お腹いっぱいまで食べてしまったあと、コーヒーを飲んだら少しすっきりした気分になったと感じる人は、コーヒーによって胃酸の分泌を促し、消化を手助けしたからだと考えられます。

しかし、空腹時にコーヒーを飲むと、胃の中に何も入っていない状態で、胃液だけが分泌されてしまうので、胸やけや、消化不良といった症状を引き起こす可能性があります。

また、その日の体調によっては、コーヒーを少量しか飲んでいなくても、吐き気を感じる場合にはコーヒーを飲むのをやめて、胃を休ませてあげてください。

酸化した豆

コーヒー豆にも鮮度があり、焙煎直後から徐々に鮮度は失われ、さらに空気に触れることで酸化していきます。

酸化したコーヒーを飲むと、体が拒絶反応を出し「吐き気」「気分が悪い」などの症状が出る可能性があります。

また、淹れたあとのコーヒーも同様に、長時間ほっておくと酸化が進んでしまうため、一度に飲み切れる量のコーヒーを淹れるようにしましょう。

酸化したコーヒーの特徴は、果実の酸味ではなく、喉の奥に感じるような独特な酸っぱさがあります。

味に違和感を感じる場合には、飲むのを中止した方がよいです。

しかし、コーヒー豆の鮮度は、野菜や生鮮食品のように違いがわかりにくいのが難点。

開封後は、しっかりと密閉できる容器で保管することや、できるだけはやめに飲み切ることを徹底してください。

コーヒーアレルギー

今までコーヒーを飲んでいてもなにもなかったのに、ある日突然「頭痛」「吐き気」「下痢」「喉のかゆみ」などの症状がでた場合には、コーヒーアレルギーの可能性があります。

食物アレルギーには、摂取してすぐに症状がでる「即時型」と、摂取したあと数時間~長ければ1日後に症状がでる「遅発型」の2種類があります。

コーヒーアレルギーは遅発型に分類されており、摂取後すぐに反応がでないため、気づきにくいのが特徴です。

コーヒーを飲んで毎回、体調不良を感じるようであれば、コーヒーアレルギーの可能性があるため、コーヒーの摂取は控えましょう。

日本では、コーヒーが食物アレルギーと聞いても、ピンとこない人も多いですが、海外では珍しいアレルギーではありません。

アレルギー症状が悪化した場合、アナフラキシーショックを起こしてしまう可能性があります。

最悪の場合は、死に直結してしまうほど危険なので、コーヒーアレルギーと判断された方は、コーヒーの摂取をやめましょう。

カフェイン過敏症

カフェイン過敏症とは、コーヒーに含まれるカフェインを摂取することで「動悸」「頭痛」「吐き気」「めまい」などの症状がでることです。

そのため、コーヒーだけでなく、紅茶・カカオなどのカフェインが含まれている食品からは、カフェイン過敏症が起こる可能性があります。

また、急性コーヒー中毒とは違い、カフェインを過剰摂取したから発症するというわけではありません。

もともとの体質的なものや、その人の体格によっても変わり、人によってはコーヒー1杯という少量でも、体調に異変がみられる場合があります。

カフェイン過敏症は、コーヒーアレルギーと同じく、ある日突然誰でも起きてしまう可能性があるもの。 少量のコーヒーを飲んだだけでも、体調不良を感じる場合は、カフェイン過剰症かもしれないので、病院で検査を受けることをおすすめします。

コーヒーを飲み過ぎて気持ちが悪い時の対処法

コーヒーを飲むと気持ちが悪くなってしまう原因はわかっていても、突然吐き気や頭痛に、襲われてしまう場合もあるかもしれません。

いつも通りにコーヒーを飲んでいるから大丈夫と安心せず、体調が崩れてしまったときの対処法を覚えておけば安心です。

もしも、コーヒーを飲み過ぎて気持ちが悪くなってしまった場合は、慌てず下記の方法を試してみてください。

白湯を飲む

コーヒーを飲み過ぎて気持ち悪いと感じた人はまず、白湯(さゆ)を飲んでみましょう。

白湯とは、飲みやすい温度にあたためたお湯のことをいいます。

アルコールを飲み過ぎたときに、水を飲んでアルコール分を緩和するのと同じ要領で、白湯を飲むことで、体内にあるカフェイン濃度を薄めることができます。

この場合は、冷たい水よりも白湯がおすすめです。

白湯を飲むと体がほっこり温まり、気分を落ち着かせることができ、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。

また、味がない水を飲むのが苦手な人は、生姜白湯などでも大丈夫です。

生姜には体を温める効果や、体内の解毒効果もあると言われているため、吐き気や気持ち悪さを抑えるのに適しています。

深呼吸をする

次に、深呼吸を試してみましょう。

コーヒーを飲み過ぎることで、交感神経が過剰に刺激され、気持ちが悪くなってしまった可能性があります。

交感神経が適度に活発になっている場合は、集中力が増したり、覚醒効果を得られますが、めまいや吐き気などの症状を感じたら要注意です。

深呼吸をすることで副交感神経を刺激し、過剰になっていた交感神経のはたらきを和らげ、自律神経のバランスを整えましょう。

深呼吸をするときは、呼吸をしっかりと意識して深く吸い込むことが重要です。

体調不良で焦っているときは、呼吸が浅くなりがちなので、吸って吐いてという呼吸のリズムにだけ集中します。

全身の緊張がほぐれ、心や体をリラックスした状態を取り戻すことができます。

ストレッチを行う

ストレッチは、先ほど紹介した深呼吸と同じく、副交感神経を刺激し、自律神経を整えるのに向いている対処法です。

体を動かすことで、体温をあげ副交感神経のはたらきを助けます。

職場や、外食中で大きくストレッチをするのが難しいという場合は、動かす部分に意識を向け、ゆっくりと体を動かすだけでも効果的です。

無理のない範囲で、ゆっくりとストレッチし、体の落ち着きを取り戻しましょう。

上記で説明したように深呼吸にも吐き気を抑える効果があるため、ストレッチと合わせて行うことで、相乗効果がきたいできますよ。

また、軽い運動をすることでも、体温が上昇しするため同様の効果が期待できます。

ただし、激しい運動をするとかえって、体に負担がかかり動悸やめまいなどが起きてしまう場合があるので注意してください。

しばらく食事を控える

続いては、食事を控えるという対処法です。

コーヒーの飲み過ぎで胃酸過多になってしまい、吐き気を感じたときには、無理に食事をとらずに控えるようにしましょう。

胃酸が多くでて胃が荒れてしまっている状態のため、胃の活動を休ませることで、状態が悪化するのを防ぐ方法です。

胃が落ち着くまでは、食べ物を胃に入れないほうがよいですが、目安としては1食分の食事を控えるくらいです。

特に、脂肪分の多いお肉や揚げ物などは、消化が悪く胃酸を多く分泌してしまうため、極力控えることをおすすめします。

空腹を我慢できない場合には、消化が良いおかゆや、やわらかい食材を選ぶことを意識してください。

市販薬を飲む

上記で紹介した方法でも吐き気や、気分の悪さが治らない場合には、薬局などで売っている市販薬を飲むのも手段のひとつです。

胃がキリキリと痛むようであれば、胃薬を飲むと緩和される可能性があります。 どんな薬を飲んだらよいかわからない場合は、近くにある薬局やドラックストアの店員さんに、症状を伝えてみてください

吐き気・胃薬・頭痛など症状にあわせた薬を飲むことで、症状を緩和することができるでしょう。

どうしてもすぐに治したいときには、市販薬に頼るのもよいです。

また、何時間たっても体調が戻らない場合にも、市販薬を飲むことを検討してみてください。

病院に行く

上記で紹介した対処方法で治らない、または症状がひどい場合には、病院にいくことおすすめします。

コーヒーアレルギーや、カフェイン中毒の場合には、自力で治すことは難しく、命の危険もあるので、しっかりと医者に診断してもらいましょう。

コーヒーアレルギーの検査は、自宅で食物アレルギーを調べることができる検査キットもあります。

検査キットは手軽にできる点が魅力ですが、病院に受診することで、より正確な判断をしてもらうことができます。

また、日常生活で気をつけるべき点や、対応などの適切な処置方法を教えてもらえたり、コーヒーアレルギーに対する悩みを相談できるのもポイントです。

病院でアレルギー検査を受ける場合には、皮膚科や、アレルギー科のある病院を探してみてください。

また、事前の予約でアレルギー検査の受診ができるか、保険適応かどうかも確認しておくとよいでしょう。

コーヒーを飲み過ぎて気持ちが悪くならないための予防法

コーヒーが好きでも、飲むたびに気分が悪くなってしまったらつらいですよね。

コーヒーに入っているカフェインを多量に摂取することで、吐き気・めまい・胃のムカムカにつながるということを、説明してきました。

1日のコーヒー目安は3~4杯といわれているため、それ以上飲むことは控えましょう。

また、カフェインへの耐性は人それぞれなので、1~2杯でも体に異常を感じる場合は控えてくださいね。

どうしてもコーヒーがもっと飲みたいという方に向けて、気分が悪くならないような予防策を紹介していきます。

カフェインレス、デカフェのコーヒーを飲む

カフェインによって気分が悪くなってしまう方は、カフェインレスコーヒーやデカフェをチェックしてみましょう。

デカフェとは、もともとはカフェインが含まれていた飲食物から、カフェインを取り除き、カフェインを含まない状態にする製法のことをいいます。

カフェインレスとは違い、100%カフェインを取り除くことはできませんが、一般的なコーヒーよりもカフェイン摂取を抑えることができます。

そのため、1日に何杯もコーヒーを飲みたい人でも、カフェイン摂取量を減らすことができるため、カフェイン由来の体調不良になりにくいのが特徴です。

また、少量でもカフェインが入っていないものを選びたい人には、カフェインレスコーヒーがおすすめ。

名前の通り、カフェインはまったく含まれていません。

妊娠中の女性に向けてつくられたコーヒーでしたが、眠る前に飲みたい方、コーヒーを飲み過ぎると気分が悪くなるという方にもぴったりです。

デカフェがつくられた当初は、コーヒーの苦み成分でもあるカフェインを取り除いてしまっていたため、あまりおいしくないイメージでしたが、最近ではおいしく飲めるようなものを開発されているので、気になる方はチェックしてみてください。

新鮮な珈琲豆を使う

酸化したコーヒーを飲むと、吐き気や気持ち悪さを感じる場合があるため、新鮮なコーヒー豆を使用したコーヒーを飲むようにしましょう。

とはいうものの、正直見た目ではコーヒー豆や、コーヒー粉が酸化しているかどうかは、わからないですよね。

焙煎してから徐々に鮮度が失われていくのですが、開封後空気に触れることで酸化がいっそう進みます。

そのため、自宅でコーヒー豆や、コーヒー粉を使ってコーヒーを淹れる場合には、1か月程度で飲み切れるサイズのものを購入することをおすすめします。

コーヒーを飲んでいるときに、味に違和感がある場合には、コーヒーが酸化している恐れがあるので、飲むのをやめましょう。

コーヒーはお湯を淹れてからも、さらに酸化は進んでいくので、コーヒーを淹れてから、何日もほったらかさないように、注意してください。

また、外出先のカフェや、一息入れるために買ったテイクアウトコーヒーなども、放置することで酸化が進むので、はやめに飲み切るのを意識してみてくださいね。

ミルクを多めに入れる

牛乳には、胃の内壁を保護してくれる成分が含まれており、カフェインの吸収をゆるやかにしてくれるはたらきがあります。

そのため、カフェインによる胃のムカムカや、吐き気を感じる方は、たっぷりミルクを入れたカフェオレにするのも効果的です。

ミルクをコーヒーと同量、もしくは多めに入れることで、コーヒーの摂取量自体を減らすことができます。

また、カフェオレをあたためて、ホットカフェオレにすることで、胃に優しく代謝をあげる効果もあるようです。

胃が弱っている方や、コーヒーを飲み過ぎたと感じる方は、ミルクを入れたカフェオレに変えてみましょう。 同様に、胃が空っぽの状態でコーヒーを飲むと、胃酸過多になってしまうので、軽い食事とあわせて飲むことで、気持ちが悪いのを抑えてくれる効果が期待できます。

コーヒーを飲み過ぎて気持ち悪いときの対処法まとめ

いかがでしたか?

わたし自身も多い日には3杯以上飲む、無類のコーヒー好きです。

空腹時にコーヒーを飲むと、お腹の調子が悪くなると感じるときがあるので、今回紹介した対策・予防法を実践していきたいと思います。 楽しくコーヒーが飲めるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。